小説 緋色のスフェラ〜大神官ダリアン編〜

太陽神ラーに守られた国

太古、パラディソス島にムーという文明都市があった。
ムーの皇帝は、不思議な力を持つ石「スフェラ」を使って、絶滅したはずの翼竜や巨人を生きながらえさせていた。

皇帝の後継者であるコールガーシャ皇子と、大神官の後継者ダリアンは親友同士であり、ともに神学校で学ぶ学徒だった。

いずれ皇帝となる皇子を支える大神官になるべく、国の成り立ちや神通力を学ぶダリアンだったが、漠然とした未来しか描けず、今ひとつ、勉学に身が入らずにいた。

コールとダリアン

父との確執

皇帝の最側近であり、大神官をつとめる父アルデオが、ある日、ダリアンを呼び出してきた。父から王家の秘密を伝え聞いたダリアンは、コールガーシャの運命を知り、大きな衝撃を受ける。狼狽える息子に、父はコールガーシャ皇子の妻レムリアと、彼女の胎内にいる子供たちを殺せと言う。

そんな彼に対し、コールガーシャは自らの運命と未来への展望を語る。皇子の覚悟を知ったダリアンは、父と決別し、大神官となって未来の皇帝を支えることを誓う。

アルデオとダリアン

天変地異の中で勃発したクーデター

ある日、海底火山が大噴火を起こし、平和だったムーは壊滅の危機を迎える。阿鼻叫喚が響き渡る中、皇帝に仕えていた将軍がクーデターを起こし、コールガーシャ皇子の命を狙いに来る。

深傷を負ったコールガーシャとダリアンは、国を守るため命懸けで剣を祭壇に突き立てる。その後、コールガーシャの意思を引き継いだダリアンは、皇子の生まれたばかりの双子の命を、皇家に仕える巨人に託すことにする。

スフェラをめぐる時空を越えた戦い。
その幕開けとなる、大神官ダリアンの若き日を描く第一幕。

抜けない剣

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