KINASA`S SHOPにて、新刊が2冊発売となりました。
「伽耶のアジロ」
吉備独特の土器、特殊器台に刻まれた弧帯文は、纏向遺跡の箸墓古墳からも出土しています。
また、箸墓古墳と同時期か、もしかしたらそれよりも早い時期に築造されたとの見解もある「纏向石塚古墳」からは、弧帯文が彫られた円形の木製品が出土しています。
美しい文様にはどのような意味があるのか。
吉備の土器がどのような経緯により、ヤマトの古墳に置かれていたのか。
吉備の土器を作る土師(はじ)の目線から、全国統一を目指すヤマトと、それに抗った人々の苦悩を描いた作品です。
「伽耶のアジロ」は、6月に開催されたイベント「みくまりの絆」で、朗読劇としても上演されました。
その時の様子は、YouTubeにて公開していますので、よろしければ書籍と合わせてご覧ください。
朗読劇「伽耶のアジロ」1〜3
朗読劇のほか、古代衣装でのヴァイオリン演奏や、巫女舞などの動画もアップされています。
「もしもその手に触れられるなら」
私にしては珍しく現代を舞台にした短編三本が収められた短編集です。
「もしもその手に触れられるなら」
表題作は、幼い頃から人を愛し、愛されることを知らずに生きてきたホストが、自宅に住みついた幽霊と関わっていく中で、今まで感じたことのない感情に目覚めていくストーリー。
「ミキとアタシ」
一見平凡に見える女子高生の、何気ない朝のお話。そんな中で、所々感じられる、彼女の言動に対する違和感の理由は?
「この世であなたと」
夕立とともにいつも現れる影。「彼」は、主人公に「お前さえこの世にいなければ」と言いながら首を絞めてくる。「彼」は何者なのか。愛するがゆえに、「ともに生きるか」。それとも「ともにこの世を去るか」。そんな問いかけをテーマに書いたお話です。